タックル

#13-24 TOURNAMENT ISO AGS



2024年の秋に発売されるダイワの磯製品の目玉と言えば、なんと言っても"TOURNAMENT ISO AGS"でしょう。
そこで、10月の発売に際して、この"TOURNAMENT ISO AGS"を実際に見て、使ってみた時に感じた私なりの感想を簡単にまとめてみましたので参考になれば幸いです。

<First impressionは・・・超細身の衝撃>

今回の"TOURNAMENT ISO AGS"をはじめて見たのは、夏前のとある日のことでした。
本来ならば、この日は実際に磯へ出て、今回の"TOURNAMENT ISO AGS"を使ってみるはずだったのですが、あいにく天候が悪かったため、静岡県河津町にある丹羽正さんが経営するFMサバルに当日都合のつく関東・東海エリアのテスター陣が集まっての商品説明会となったのです。

さて、今回の"TOURNAMENT ISO AGS"を実際に見せていただく前、ダイワの担当の方から「見ただけで驚きますよ~」と言われました。
その言葉を耳にした私は、「実際に"見て驚く"というのはどういうこと? 実際に"使って驚く"というのなら解るが・・・少し盛ってない!?」と内心思っておりました。

つまり、これまでも新製品にはじめて対した時、実際に使ってみて「おっ、違うな~」と感じたことは多々ありましたがり、実際に見た時に「おっ、違うな~」と感じたことはほぼなく、強いていえば、モノコックボディになった"22 TOURNAMENT ISO LBD"をはじめて見た際に「ボディの重厚感が増したな~」と思ったぐらいで、竿においてはこれまでに見ただけでそのような感覚を抱いたことはなかったのです。

しかし、そんな私の猜疑心も、実際に今回の"TOURNAMENT ISO AGS"を見た時、すぐに「なるほどね~」と納得し、ダイワの担当の方が言っている意味が理解できたのです。


(左は16 TOURNAMENT ISO AGS、右は24 TOURNAMENT ISO AGSです)

すなわち、そのブランクの細さたるや、これまでのメジナ用の磯竿と直接比較しなくても、今回の"TOURNAMENT ISO AGS"のみを一見すれば解るほどの、これまでのメジナ用の磯竿にはないレベルの細さであったのです。

ちなみに、これまでのTOURNAMENTシリーズにはなかった、白を基調としたデザインもかなり斬新で驚かされました。



<超細身のメリット>

それでは、何故、ダイワはメジナ用の磯竿を細くしたのか?
竿を細くしたことによるメリットは?
また、逆に竿を細くしたことによる心配事はないのか?

FMサバルでの商品説明会の時、サバルの庭で竿を振ってみたり曲げてみたりはしたのですが、やはり実際に磯で使ってみないとわからないであろうとの総意で、その後、磯での試釣会が催されました。
しかし、その試釣会の日は、どうしても私は私用で参加することができなかったので、ダイワの担当の方にお願いして、別の日に一緒に釣行してもらい、今回の"TOURNAMENT ISO AGS"(以下、"24 TOURNAMENT ISO AGS"と表記します)を使わせてもらうことができたのです。



そこで、この日の釣行における使用感を元に、このたび発売となる"24 TOURNAMENT ISO AGS"について、私なりに解る範囲で解説をしてみたいと思います。

まず、竿を細くしたことによって得られるメリットとしては、竿を扱う際に「空気抵抗が軽減されること」が挙げられるのではないかと思います。
この点に関しては、特段、説明をする必要もないでしょう。

そして、そもそも"釣り"というのは、われわれ人間が自然の中で遊ばせてもらう遊びなので、いつもいつも風が弱くて釣りやすい状況の中で竿を振ることができるわけではなく、むしろ、メジナ釣りのベストシーズンが冬場であることを考えれば、風の強くて、どちらかと言うと釣りにくい状況の中で竿を振ることの方が多くなるのではないかと思います。
そんな時、この"24 TOURNAMENT ISO AGS"の超細身が、われわれ釣り人の大きなアドバンテージを与えてくれることは間違いないでしょう。



例えば、"24 TOURNAMENT ISO AGS"を使って試釣させてもらった日も西風の強い日で、風裏となる地方の磯でしか竿を出すことが出来ず、それでもかなり風が回り込んできていたのです。
しかし、そんな状況下でも、この超細身であることの効果で、1日ストレスを感じることなく竿を振ることが出来ましたし、また、実釣が終わった後も、風に竿が吹かれたことによる疲労はまったく残りませんでした。

さらに、竿が超細身になって空気抵抗が軽減したことにより、キャストが安定して、より正確に、また、より遠くに仕掛けを投入することもできました。



<持ち重りしない竿>

ところで、竿を細くしたことによって、「竿が軽くなる」というメリットも得られるのではないかと考える方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、カタログを見ますと、今回の"24 TOURNAMENT ISO AGS"のM-53の自重は242gであるのに対して、このサオに相当する、前回の"20 TOURNAMENT ISO AGS"の1.25-53の自重は196gとなっており、これだけを見ますと、「おっ、今回のトーナメントは重くなったな!」と思われる方も多いでしょう。
勿論、これは一般的な思考だと思います。

だが、実際に2つの竿を持ち比べてみると決してそんなことはなく、今回の"24 TOURNAMENT ISO AGS"も十分に軽い竿だと感じることができます。



ここで、皆さまに1つご説明しておかなければならないことがあります。

それは何かと言いますと、磯竿を購入する際、軽い竿は取り回しが良いとの理由から、竿を選択する時の1つの条件になるのではないかと思いますが、その場合、多くの方はカタログを見て、実際に購入しようとしている竿の"標準自重"の表示を参考になされているのではないかと思います。

勿論、このことを否定するつもりはありませんが、ここでご理解いただきたいのは、必ずしも「竿の自重=釣り人の感じる重さ」ではないということです。

すなわち、『持ち重り』という言葉があることからもお解りいただけるように、自重の表示が軽くても重たく感じる竿(持ち重りする竿)もあれば、自重の表示が結構あっても重たく感じない竿(持ち重りしない竿)もあるのです。
これは穂先からグリップエンドまでの竿全体がバランス良く仕上がっているか否かに起因するものだと思います。



つまり、"24 TOURNAMENT ISO AGS"は、やや太めの「リアグリップ」を採用することによって、それがバランサーとしての効果を発揮して、竿全体が持ち重りしないバランスの良い竿に仕上がっているのです。
ちなみに、"24 TOURNAMENT ISO AGS"の自重表示が重くなった原因の大半は、このやや太めのリアグリップを採用したことによるものなのです。

それゆえ、前にも述べたように、この"24 TOURNAMENT ISO AGS"を実際に初めて使った日は、かなり西風の強い日でしたが、実釣中に重たいと感じることはまるでありませんでしたし、使用後も全く疲労感は残りませんでした。

なお、"24 TOURNAMENT ISO AGS"には、「替えバランサー下栓(20g)」が標準装備となっておりますので、お好みに応じて、さらにカスタマイズすることも可能です。



<パワースリムブランクとローテーパー設計>

最後に、もう一つ、皆さまが気になっているだろうことを説明したいと思います。

それは、竿が細くなると、竿を扱う際に「空気抵抗が軽減される」といったメリットがある一方で、魚を掛けた時の「パワー不足」を懸念する方も多いのではないでしょうか?
事実、私も、FMサバルではじめて"24 TOURNAMENT ISO AGS"を見た時、「ホントに大丈夫かいな~」と思いました。

例えば、これまでにも、今回の"24 TOURNAMENT ISO AGS"と同じぐらいの太さの磯竿はあることにはありましたが、基本的に、それはクロダイ用(チヌ用)の竿で、やはりメジナ(グレ)を狙う竿としてはパワー不足は否めなかったのです。

それでは、何故、これまで、超細身で、かつ、メジナを狙えるようなパワーのある竿がなかったのでしょうか?
それは単純に、そのような竿を作ることが出来なかったからだと思います。

しかし、この度、東レの『トレカRM46X』という強度があって高弾性の新素材を採用して、そこにダイワのカーボン成型技術を施すことにより、細身で肉厚なブランク ━すなわち『パワースリムブランク』━ の開発を見事に成し遂げ、超細身なのにパワーのある竿を作ることに成功したのです。

なお、高弾性素材は復元力に優れているものの、どうしても"突っ張り感"が強く出てしまい、これまで磯竿には使われてきませんでした。
しかし、これもダイワ独自の技術により、リールシートの上を、これまでのようなテーパー状ではなく、ストレートに近い形にする『ローテーパー設計』にすることによって、手元から気持ち良く曲がって"粘る"竿の実現に成功したのです。
しかも、復元力のある高弾性素材を使用しておりますので、曲がってからの"リフト力"にもとても優れているわけです。

さらには、リールシートの部分、すなわち握りの部分にも、今回新たに開発された、『ゼロシート(パワーハンプホールド)』が採用されております。
この『ゼロシート(パワーハンプホールド)』は、大物とのやり取りの時に握りやすくパワーを込めやすい設計になっており、超細身の『パワースリムブランク』をシッカリと支えてくれているのです。



と、以上のように、超細身なのにパワーがあり、かつ、粘ってリフト力のある竿に仕上がった"24 TOURNAMENT ISO AGS"の構造を簡単に説明させていただきましたが、正直、これは竿の開発担当者から聞いたことを私なりに噛み砕いて記した部分も多く、私自身、まだまだ今回の"24 TOURNAMENT ISO AGS"の優位性について体験し切れていないところもあります。

例えば、超細身であるところに起因する、竿を扱う際に「空気抵抗が軽減される」といったメリットに関しては、すぐに体験することが出来ましたが、例えば、超細身なのにパワーがあり、かつ、粘ってリフト力のある竿であるという点に関しては、先にも述べたように、"24 TOURNAMENT ISO AGS"をはじめて使わせてもらった日の天候があまり芳しくなく、風裏となる地方の磯でしか竿を出すことが出来なかったことから30センチ半ばのメジナを釣るのが精一杯で、その潜在的なリフト力を味あわせくれるような魚とは出会えなかったため、その点に関しては、まだ体験し切れていないのです。



それでも高水温期で元気いっぱいの30センチ半ばのメジナは次々と何の不安もなく抜き上げることは出来ましたし、また、同行の担当の方が、メジナではなさそうでしたが、かなりデカそうな何者かを掛けた時、最終的には飲まれてチモト切れとなってしまったものの、その大物と対峙したやり取りにおいては竿にまだまだ余裕があり、パワー不足だと感じることはまるでありませんでした。



と言うことで、早く私も"24 TOURNAMENT ISO AGS"の粘りとリフト力を実際に体験したいものです。
そして、もしそれらを体験できたら、またレポート致しますね!

最後に、TOURNAMENTシリーズも、今回から、その強さの表示方法が変わりましたので、これまでの号数表示との対応表を、念のため、記しておきます。

L [0.8~1号相当]
ML[1~1.2号相当]
M [1.2~1.4号相当]
MH[1.4~1.6号相当]


2024.09.30 written by 桜井

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