レクチャー

♯2-ウキフカセ釣りのフィールド

そもそも、岩礁帯にいる魚を浮かせて釣ろうというのがウキフカセ釣りの原点なので、岩礁帯にある「堤防」や「磯」がこの釣りのメインフィールドとなることは言うまでもありません。
「堤防」には、一般的な地続きの「堤防」と渡船で渡る「沖堤」があり、「磯」には、歩いて入る「地磯」と渡船で渡る「沖磯」があります。
また、「堤防」の中には、子供や女性などでも安心して楽しむことのできる「海釣り施設」の形態をなしたものもあります。

「テトラ」や「ゴロタ」も、ウキフカセ釣りではいいポイントになりますが、初心者の方がサオを出すにはそれなりの注意が必要となります。

最近では、クロダイ狙いの渚釣りが注目を浴びており、「砂浜」もウキフカセ釣りのフィールドと考えられるようになってきました。


<堤防>

基本的には、堤防は気軽に入れて足場がよく、ウキフカセ釣りを始めるのには最高のフィールドと言えますが、その一方で、堤防が「防波堤」(波を防ぐ堤)や「波止」(波を止める)などと呼ばれていることからもわかるように、 根本は波のあるところに作られている構造物なので、決して、堤防は安全だと思い込むことなく、十分に波に対する注意を払うことが大切です。
ちなみに、岩礁帯やゴロタの上に作られている堤防は、周囲一帯がメジナやクロダイなどの付き場となることは言うまでもありませんが、砂浜の上に作られた堤防でも、堤防自体が障害物となるのでメジナやクロダイの付き場となります。

<沖堤>

渡船を利用して渡る堤防を「沖堤」と言います。
「沖堤」は、渡船を利用するので少々割高になりますが、その分、魚の最大の天敵とも言える釣り人が少ない上に、一般的には、潮通しの良いところにある場合が多いので、魚影が濃く大いに釣果が期待できます。
また、地続きの堤防よりも空いていて、ゆっくりと釣りが楽しめるのも沖堤の良さと言えるでしょう。

<海釣り施設>

自然の堤防を利用して、駐車場や安全柵・水道・トイレなどを設けたり、あるいは、貸し竿や貸しライフジャケットを用意して、子供や女性などでも安心して釣りが楽しめるようにしたのが海釣り施設です。
それゆえ、多少の入場料はかかりますが、安全の面などから言えば、ウキフカセ釣りを始めるのには最高の環境と言えましょう。
ただし、コマセを撒くのを禁止されている海釣り施設もあるので、事前の確認が必要となります。

<地磯>

歩いて入ることができる磯を「地磯」と言います。
「地磯」は、経済的で、行き帰りの時間を気にしなくてもいいので、自分の都合に合わせることができ、マズメ時などの好時合にサオを出すことができる反面、 持ち運ぶ荷物が制限される上、天候の急変などによる撤収なども自らの判断に委ねられるので、安全面に関しては十分な注意が必要となります。
また、地磯の程度にもよりますが、山や磯での歩きは健康的である反面、様々な危険が伴うこともあるので注意しましょう。

<沖磯>

渡船を利用して渡る磯を「沖磯」と言います。それゆえ、陸続きの磯でも、そこが渡船を利用しないと行けないようなところであれば、「沖磯」のカテゴリーに入ると考えます。
「沖磯」は、渡船を利用するので地磯と比べると割高になり、また、行き帰りの時間が決まっているので、釣行時間に制限があるという難点がある反面、 魚の最大の天敵である人間が四六時中いるようなことはないので、魚影は濃く、マズメ時ではない日中でも大いに釣果が期待できます。
また、基本的には、地磯のように、後から後から釣り人が入ってくるようなこともないので、比較的空いている環境で釣りを楽しむことが出来るのも沖磯の良さであると言えます。
さらに、渡礁の技術をきちんとマスターすれば、天候の急変などによる撤収などはプロの船長が判断してくれるので、ある意味、地磯よりも安全であるとも言えます。

<テトラ>

テトラは、テトラ自体に魚が付き、非常に魚影の濃いポイントだと言えますが、波の立つところに設置されている場合が多く、 しかも、すこぶる足場が悪いので、初心者の方がウキフカセ釣りを始めるのには、あまり適している場所だとは言えません。

<ゴロタ>

大きな丸い石のことをゴロタ石と言い、ゴロタ石で形成されている海岸のことをゴロタ場とかゴロタ浜と言います。
メジナなどの魚影は非常に濃い反面、水深が浅いところが多いので、あまり静かすぎると、底まで見えてしまい釣りにならなくなってしまうことも少なくありません。
また、大物が掛かった時に、取り込むのにはある程度のテクニックが必要となります。
以上のようなことから、初心者の方がウキフカセ釣りを始めるのには、あまり適している場所だとは言えません。

<砂浜>

最近、流行のクロダイの渚釣りなどで、ウキフカセ釣りの新たなるフィールドとして注目を浴びている砂浜ではありますが、基本的には、条件や対象魚などが限られてしまうため、初心者の方がウキフカセ釣りを始めるのには、あまり適している場所だとは言えません。


2015.10.25
written by 桜井

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